水疱症 (2006.03.30)
皮膚にみずぶくれ(水疱)ができる病気を水疱症といいますが、これには先天性の(遺伝性)水疱症と、自己免疫性の水疱症とに分かれます。この自己免疫性のものはさらに天疱瘡と類天疱瘡の仲間に分類されます。天疱瘡は皮膚の浅いところ(表皮内)に水疱ができて、類天疱瘡はそれに似ているけれどもう少し深いレベル(表皮下)で水疱ができます。見た感じでは天疱瘡の方が破れやすい水疱ですぐにべろっとむけてしまうけれども、類天疱瘡の方はリンパ液が溜まってパンパンになった水疱、というのが教科書的にみた特徴です。診断は皮膚を一部切って組織学的にみたり、あるいは皮膚に対する自己抗体を血液検査で確認します。治療はステロイドの内服が基本で、免疫抑制剤、血漿交換療法(二重濾過)などをすることもありますが、よほどの軽症でない限りは入院の上治療することが原則です。特殊なタイプで内臓の癌に伴って出現するものもありますので、全身の検査が必要になることもあります。ただ、虫さされのひどいのも水疱症かと思うような水ぶくれを作ることもあるので、正しく診断することが何よりです。
尋常性天疱瘡(すぐに破れる弛緩性水疱) 水疱性類天疱瘡(緊満性水疱)
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