「ひろしです」で始まったこの「ひとりごと」のコーナーもなんとか1年半にわたり継続することができました。もともとハードもソフトもパソコンいじりは好きだったので、見よう見まねでHPを作りました(100%手作りです)。普通クリニックのHPというと、場所や診療時間、休診のお知らせ、施設紹介などがメインのコンテンツだと思います。受診する患者さんはこれらの(まじめな)情報を参考にして来るのでしょうが、それだけではせっかく作ったのに作りっぱなしになってしまうし、自分で見ても毎日同じページ内容だと何か物足りなくなってきたので、お知らせしたいこと、普段から感じていることなどを知ってもらおう、そして気軽に見てもらおうと思い「ひろしです」を始めたのでした。初めは診療うら話的なことを紹介するつもりでしたが、段々趣味の話などを紹介しているうちに対象が広がってしまい、とりとめもないことばかりが続いたこともありましたが、自分の事を知っている人が見れば「あいつのキャラが出ているな」とわかってくれています。病気の話を書いたあとでそれを見て心配になったと行って受診した人もいましたし、診療が終わったあと同じ趣味の人などが話かけてくれたこともあり、それなりにコミュニケーションをとる道具になっていたと思っています。
1年半にわたり掲載したので大体伝えたいことはいえたかな?と思いますが、毎週連載していてさすがにネタが底をついてきましたので今回で定期的な更新はお休みしようと思います。ネタに困ったら波瀾万丈の私生活を公開するというのもありますが、芸能人じゃないからねぇ(笑)。また思い立ったら不定期には情報発信しようと思いますが、ひとまず充電します。ここまでおつきあいしてくれた皆様どうもありがとうございました。
Frohe Weinachten und ein gutes neues Jahr!
診察のために、或いは家族が受診するのでついてきた時など、いろいろな子供をみる機会があります。大体は緊張した表情でおそるおそる入ってくる子が大部分ですが、何度も通っているうちに慣れてくるといろいろ話ができたりします。大体は男の子の方が純朴で女の子の方がませている傾向がありますかね?ただ中には親のしつけが全然なっていない連中もいます。待合室で奇声を上げて騒ぎまくったり、置いてある本を投げつけるわ、破るわと、これで社会生活できるの?というような野獣のようなのもたまに来ます。診察室に入ってもちょろちょろ歩き回ったりベッドによじ登ったりと目が離せないし、うるさくて全然親御さんと会話ができないようなこともあり、このような場合にはこちらも説明が不十分なのはわかっていますが最低限の診察だけして早々にお引き取り願うようにしています。やっぱり親のしつけ方だと思います。親がちゃんとしているとこどももそれなり、ということが多いですが、なかにはなんでこの親にこの子???というケースもあります(笑)。平日に比べると、勤め人が多く来る土曜日の待合室はそれは静かで雰囲気が違いますよ。
昔聞いたのですが「犬と子供のしつけはドイツ人に任せろ」ということわざがあるそうです。確かにドイツ人はよく犬を連れて散歩していますが、ワンワンほえあっているのをあまりみた覚えがありません。きっと辛抱強く何度も何度も教えていくんでしょう。ただ子供の散歩の時にも犬の散歩に使うような伸縮自在のリードを付けていたのには少し抵抗がありましたが。
鉄道のことはなんどか書いていますが、出発点になった景色の思い出があります。小2の頃鹿島の知り合いの家に行くため父の運転する車で夜中に家を出て走っていたときのこと、首都高もまだ東神奈川までしかなかった時代、勿論常磐道などなく、本町で首都高を降りてからはひたすら6号線を走って行きました。夜もようやく明けようかという頃、併走する常磐線を上野に向かう夜行列車とすれ違いました。たぶん夜汽車を見たのは初めてだと思いますが、長い編成で客車の窓から漏れる明かりがきれいでしばらく見入っていました。HOの模型を走らせていた時もあの時の景色が頭の片隅にあったので、時々部屋を暗くして走らせて夜汽車の雰囲気を味わったりしていました。
大きくなったらいつか夜汽車に乗ってみたいなと漠然と思っていましたが、それがかなったのは高校になってからでした。でも貧民旅行でしたから153系の347Mや344M(今のムーンライトながら)、周遊券で乗れた夜行の急行自由席などで、寝台などめったに乗れませんでした。初めて寝台車に乗ったのも確か山陰(各駅列車に寝台を併結したもの)の10系客車だったと思います。ブルトレなど高嶺の花で当時は乗ることができませんでしたが(指定もすぐに売り切れてしまう)、今は利用客の減少でブルトレがなくなる時代になっていて時代の流れを感じます。
そういえば昔は朝国鉄提供の緑の窓口のテレビ番組がありました。カーペンターズの「シング」をバックにブルトレなどの指定券の申込状況を放映していましたが覚えている人いますか?
その後ずっと鉄道や模型からは離れていましたが、10年くらい前にもう一回り小さいNゲージの車輌を少し買いました。子供を抱き込んで模型を増やそうと目論んでいましたが、子供はそんなにのめり込まず作戦は失敗に終わりました(笑)。自分も最近は時々写真を撮るくらいになってしまいましたが、いつかクリニックにレイアウトを作りたいと密かに考えています。実現できるだろうか?
新聞の折り込みやポスティングのチラシでよく美容形成の広告が入っています。たくさんの広告があるということはそれだけニーズが高いということと、良くも悪くも選択肢が多いということです。これらの中には、形成外科のトレーニングをきっちり受けて堅実に開業している先生もいれば、かなり怪しげなところもあるようです。あと値段が高いですよね。基本的には自由診療分はどのように値段を付けても良いのでしょうが、キャンペーン価格と称して半額くらいになっていたりするのを見ると、「初めからこの値段にすればいいじゃん」と思ってしまいます。「美」や「若さ」を追求する女性達、そしてこれらにお金をかけられるだけ裕福な女性が増えたということでしょうか?
さて私は基本的に皮膚科医で美容形成の専門家ではありませんので、これらの分野はあまり積極的にはやっていませんが、それでもニーズの高いもので比較的トラブルが少ないと思われるものは少々やっています。今可能なものは、1つはグリコール酸によるケミカルピーリング、2つ目はビタミンC、そのイオン導入、そしてハイドロキノン軟膏です。ケミカルピーリングは主にニキビの治療としてやっていますが、後2者はシミ、くすみに有効といわれています。保険診療でないためどうしても遠慮がちになってしまい、大々的には宣伝していませんが、それなりに効果があり比較的安全だと思うものを使っていますので、興味を持たれた方は診察時にご相談ください。お値段も世間の相場よりはだいぶ安いと思っています。
クリスマス前になるとドイツの街ではあちらこちらでクリスマスマルクト(市)が立ちます。クリスマスの飾り付けを売っているのですが、それ以外にも果物や野菜、ハムチーズなども売ってますし、勿論ホットドッグの屋台もありますので、そぞろ歩きをしながら小腹が空いたらそのようなものを食べて買い物していました。特に冬は寒いですからグリューワインで暖まります。これは赤ワインにオレンジジュース?や糖分を足して温めたものでぽかぽかと暖かくなりますが、この時期にしか飲めませんでした(帰国してからもドイツビールを扱う新宿のレストランで飲んだことがあります)。
クリスマス以外にも町の中心部ではよく朝市夕市が立っていて、日用品や花などを売っています。ソーセージの屋台も町ごとに種類が違うので旅行に行くとこれだけでも結構楽しめます。また中近東からの労働者が多く、チュービンゲンの町にもギロス(=ジャイロ コマの意味だと思う)の店があり、よく食べていました。これは日本でも最近見かけるようになったドネルケバブサンドのことです。サマータイムの間は喫茶店の椅子と日傘が街の広場の方まで張り出されて、人々はテラスで陽光を受けながら街ゆく人を眺めたり、新聞や本を読んで時間を潰しています。勿論昼間からビール!もありです。飲酒運転は勿論厳禁ですが、ビール少々に関しては割に寛大だったようで、旅行に行っても昼食時にピルス1杯はいつも飲んでいました。ミュンヘン郊外に泊まったときには地元の親父が朝から1Lのジョッキでビールをあおっていたのだけは真似しませんでした。朝からビール飲んでいるのはバイエルン州だけで他の大多数のドイツ人はもっとまじめだ!と、ドイツ人の同僚が言っていました(笑)。
今はインターネットの時代です。昔は企業や研究施設でのものでしたが、ここ10年くらいであっという間に家庭内に入り込んできました。情報収集するのにちょっと検索すればいろいろなサイトがヒットするし、自分の趣味の世界を公開して、なかば自己満足、あるいは同好の人達との交流に役立てることができます。また買い物やチケットの予約など、いながらにして用を済ますことができます。セキュリティーの点などが万全であれば大変便利な世界だと思います。
ただし情報収集する際に注意しないといけないのは、その内容は玉石混合、かなり主観や感情が入っていたり、怪しげな情報のものもあるということです。勿論自由に情報発信できるのがインターネットの最大の特長ですからそれはそれで良いのですが、書いている相手が見えないのですから、どのくらい信じられる情報なのかを吟味しないといけません。要はその内容を鵜呑みにしないで、いろいろなサイトを見て自分の中で考えないといけません。特にアトピービジネスっぽいのは要注意です。薬でないものを「○○でアトピーが治る」と紹介すると薬事法に引っかかるので、「○○を使っていたら悩んでいたアトピーが劇的に良くなりました!(25歳女性)」と体験談的に紹介するのが常套手段なんです。
最近は病気のこともいろいろなサイトで調べてから医院に来る人が増えています。ただ説明をすると「ああ、インターネットで書いてあったのと同じ説明ですね」と納得し、またその内容が違うと不満げな人もいます。ならその情報源のところにいけばいいだろ!とぶち切れかけることがたまにあります。
携帯電話にはマナーモードがありますが、携帯電話に限らずマナーやモラルというのが段々なくなってきていませんか?電話にしたって電車の中や、クリニックの中でも電子音が鳴りだすし、信じられないことに診察中に電話がなってそのまま話し始めた人もいました(結構インテリジェンス高い人だったんですが)。電車の中での電話にしても「じゃあ、後でまた連絡します」ってだったら長々と話すな!といいたくなります。車内の電話光景を見ていると頭の弱そうなのは別にして、若い年代の方が気持ち遠慮がちに小声で話していますが、年配者の方が大声で会話しています(耳が遠いだけかな?)。
大体自己中心的な人が増えましたよね。回りのことは関係なく、とにかく自分が良ければそれで良いという考えがまかり通っている気がします。自分がそうすることによって周囲の人がどのように迷惑するかを考えれば、電車の入り口にでかいカバンをどんとおいている高校生や、荷物を座席の横に置いて2人分の座席をしめているおばさん(自分の幅が既に1.5人分であることも許せないですが)、狭い道路に幅寄せしないで駐車する車、人の庭に食べ物のカスを投げ捨てていく人等々、は普通できませんよね。そんな大人の行動を見て育った子供は、推して知るべしでしょう。朝の京浜急行に乗っている一貫教育の某学校の小学生、これがまたうるさいの動き回ってぶつかり合うの、全然回りの迷惑を考えていないガキンチョなんですよ〜。しかも少子化でこどもがちやほやされる時代になってきていますから、日本の将来はやっぱりあまり明るくはないのかなあ?と思ってしまいます。
今は1人1台携帯電話の時代ですが、私がまだ子供だった頃電話はまだ1家に1台もありませんでした。学校の連絡網を見ると何人かは「呼び出し」となっていて、電話のある近所の家に連絡して本人を呼んで来るというものでした。今よりも町内会や近所づきあいの度合いが濃かったですから。テレビもまだまだ高級品で、うちは店をやっていたからか比較的早くから白黒テレビがあったらしく、仕事帰りの職人さんがうちで買い物した後、野球やプロレスを見ていきました。カラーテレビが普及しだしたのが、「アポロの月面着陸をカラーテレビで見よう!」というキャッチコピーがあった頃でした。ところがうちの白黒テレビはまだ現役だったので買い換えることはかなわず、友達の家のカラーテレビが逆にうらやましかった覚えがあります。駄菓子屋(じじばばと呼んでいた)は5円単位で買い物ができて、30円もあれば豪遊!できました。当時はまだ戦争の傷跡が残っていて、裏山に行くと防空壕?だったのか、謎の洞穴がたくさんありましたし、片腕、片足の人が軍服を着て商店街の橋のところに座って、何か音楽を奏でていました。前に帽子がおいてあり小銭を恵んでもらっていました。家の近くにはまだ田んぼがたくさん残ってましたし、弘明寺はお寺があったので門前町として昔から賑わっていましたが上大岡は田舎で、鎌倉街道はその先は未舗装でした。町の空気はまるで「3丁目の夕日」の世界でした。
この前京急の昔の写真が載っている本を見ているうちに、ふと昔の情景が思い出されました。年を取ると段々昔を懐かしがるようになるからねえ(笑)。
診察時によく聞かれることがありますが、まず「これは食べ物が原因ですか?」というのがあります。たいていの場合は「No」です。通常食べ物のアレルギーの場合には、食べると決まって同じ時間経過で症状発現を繰り返すので、医院に来たときには自分で思い当たることが大部分です。例えばサバを食べて直後からみるみる痒くなってきた、等々。以前も書きましたが、検査で陽性だからといって食べたらダメなわけではありません。それから「これは内臓から来ているんでしょうか?」。これも大多数の場合は違います。ただし、内臓病変に伴って皮膚に特異な症状があらわれるものもあるので、そのような場合には積極的に血液検査をしたり、内科のDrに相談することがあります。あと「お風呂にはいって良いですか?石鹸を使って洗っても良いですか?」。これも発熱など全身的に消耗していなければ入浴はかまわないです。ただし暖まると赤みが増して痒くなることがあるのでぬるめの湯にさっと入るのがいいといわれています。でも「痛いくらいに熱いシャワーを浴びると痒みが楽になるんです」といったおじさんもいました(例外かな?)。石鹸も昔はあまり使わないで、といわれていましたが、今は表面に2次的についている細菌を洗い流すという点からも石鹸洗浄はOKです。ただしゴシゴシこすらず、最後にシャワーでよく洗い流すのが大事です。結局のところ、皮膚を清潔に保ち病変には適切な外用療法を行う事が大切で、普段のケアでOK、別に特別なことが必要なわけではありません。俗にスキンケアといわれていることだと思います。
ただしここに書いたことはあくまで一般論ですから、個々の場合には当てはまらないこともありますからね!
好き嫌い (2006.10.26)
元々子供の頃は野菜類が苦手でしたが、成長とともに食べられるようになってきました。今でも梅干しや漬け物系はやっぱりあまり得意ではなく、どちらかというと避けて通っています。それでも最近は定食などについてくる漬け物、タクワンなどを食べるようになり、歯ごたえを味わうことができるようになったので、ずいぶん大人になったもんだと自画自賛しています(笑)。ただ納豆は今でもダメです。幼児の頃は食べていたらしいんですが、それ以来40年以上食べていません。この前納豆巻に入っている半粒を挑戦してみましたが、やっぱりまずくてダメでした。先日納豆を使って皮膚テストをする機会がありましたが、思わず手袋をしてじかに触れないようにしてやってしまいました。あとはシソやミョウガなどニオイの強い薬味は今でもあまり得意ではありません。昔は学校では好き嫌いは許されない風潮がありましたが、今は食物アレルギーのこともあるので無理強いはしないのでしょうか?
あと食べ物ではありませんが嫌いなものは女性の刈り上げカット!何故かわかりませんが後頭部のところをつくんつくんに刈り上げたのが生理的にダメなんです。それからラーメンをレンゲの上に乗っけて食べる奴。ラーメンはふーふー吹いて、ずずずっと豪快に食べなくっちゃ!まあこれも人に迷惑をかけるわけではないけれど、この前ラーメン屋でとなりに座ったにいちゃんがすごい勢いで麺に息を吹き付けて、それこそ汁も唾液も回りに飛び散らかしながら食べていて、思わず左手で風よけを作ってしまいました(笑)。
ここ数年は、運動不足解消のためよく散歩します。散歩というよりはウォーキングに近いです。歩いていると車の時とは違った視点でものが見えてくるので、家々の草花を眺めたり、お店を見つけたりといろいろな発見があります。まじめに早歩きしていると大体時速5kmくらいで歩いているようです。
いつもの基本コースは、自宅から日ノ出町のJ釣具店まで往復して約7kmちょいだと思いますが、休みの日にはしょっちゅう歩いています(釣り道具を見に行くという目的もありますが、ここ11月で閉店になってしまいます(涙))。少し前まで黄金町-日ノ出町の川沿いにはスナックの形をした風俗店がひしめき合っていて、外国人のお姉さんが客を取っていました(あそこでHIVに感染した人もいます!が、今は警察の指導が入り店はなくなり静かな町になっています)。それからやはりあのあたりにオームの拠点があり、10年くらい前?出所したJがいたらしくそのころは川沿いがすごい野次馬で、街宣車が走り回ったりしたこともありました。真夏は暑いので早朝に歩きますが、朝の伊勢佐木町を歩いていると、夜通し飲んでいた若者や、パチンコの開店のため行列を作って待っている人、ゴミをあさっている浮浪者などいろいろな人種がいます。最近は足をのばして野毛、或いは横浜駅まで行くこともあります。うちから横浜駅周辺まで大体1時間15分くらい、往復すると約15kmを3時間、気が付くと半日つぶれていたりします(笑)。自宅-クリニックは片道2時間10分でした。さすがにこのくらい歩くと足の裏が少し痛くなってきますし、帰ってからビールに手を出したりすると健康なんだか不健康なんだかよくわからなくなっています(笑)。
大岡川は桜並木がきれいですが、その頃は人出が多すぎて自分のペースで歩けないので、ウォーキングにはむいていません。この時はサクラを愛でながらのそぞろ歩きがいいでしょう。
私がまだ駆け出しだった頃、アトピー性皮膚炎はごく当たり前の病気で、ステロイドの外用薬で大多数の人はコントロールできていました。当時小児科医はアトピー=食物アレルギー、という考えが主流で、食事制限さえすればアトピーは治る、といいきる極論もありました。すなわち五大アレルゲンといわれる卵牛乳米小麦大豆一切を除去して、代わりにひえ、粟などの穀類、動物性蛋白はヘビ、カエル、タニシなどを食べる事を薦める先生もいました。その頃皮膚科では、アトピーに食物アレルギーは関係ない、むしろダニアレルギーなどが主体で適切に外用療法をすればよくなるんだ、という意見が多く、この両者が一緒に参加するアレルギー学会などでは意見の食い違いから激論が交わされていたことがありました。最近は両者が歩み寄ってきてこれほど両極端な考えは少なくなってきましたが、まだ根底はこのようなものではないかと思います。これは小児と成人という見ている対象の違いなんかもあるので、どちらが正解でどちらが間違っているということはないと思います。
自分で経験した例でも明らかに食物で悪化する人がいるのは確かですが、それを全員に当てはめようとすると無理がありますし、「アトピー性皮膚炎」と一言で言っても悪化因子は個人個人で異なっているのは当然です。ですから、たとえば食物アレルギーにしても、十把一絡げに卵ミルク除去ではなくて、食べると本当に悪くなるかをよく吟味してから制限なり除去なりするのがいいと思います。検査で陽性でも食べて症状が出ない人がいますし、検査で陰性でも食べられない人もいますから、検査の結果だけで除去してもはずれることもあります。それから聞きかじった知識で食事制限をする母親が結構いますが、食欲というのは人間の大切な欲望の一つですから、本当は食べられるかもしれないものを意味もなく制限をするのはかわいそうでは?と思います。それから仮に食べられないとしても大多数では成長とともに解除されてきますので、しばらくは我慢してください(以前のネタとかぶってしまった。そろそろネタ切れかな?)。
相変わらず凪をみては水曜日に出漁しています。今年は1月2月はあまり行けなかったのですが、3月になって外房のイサキに行き始め、その時はイサキはぼちぼちでウマヅラ混じりでした。イサキは脂がのってうまいのは勿論、ウマもちゃんと血抜きしてもって帰ると臭みもなくとてもおいしいです。肝もおいしいのですが、さすがにカワハギの肝には負けてしまいますがね。(そういえば鮮魚コーナーで皮をはいだ状態でカワハギを売っているのを見かけますが、どう見てもウマヅラの体型だし、そもそも肝を食べないでなんの価値があるの?と思ってしまいます。)今年はそのイサキ釣りの時に小型のシマアジを釣ることができました。朝一の時間帯でしたが、イサキの引きがやけに強いな?と思っていたら体高の高い魚体で、天然のシマアジでした。しめて持ち帰り、いつもより丁寧に捌いておいしくいただきましたが、普通シマアジというと養殖物ですので、これが天然のシマアジか、とじっくり味わいながら平らげました。
今年からイカ釣りもやるようになりました。イカはまだ初心者なので、ベテランが直結でズラズラとスルメイカをかけるのに対して自分はブランコでポツポツとしか釣れませんが、柔らかくて甘い刺身と自家製塩辛を楽しみました。秋から冬にかけては今度はヤリイカで、これも柔らかくてうまいんです。また秋になりワラサがぼちぼち上がっています。やっと1本釣れました。
少しは良くなりましたが東京湾のアジが相変わらず不安定でなかなか行けません。アジといえば5年前に46cmの観音崎の大アジを釣ったことがありましたが、これは全く別物のうまさでした。
「私の趣味は○○です」と、人様にいえるものはなんでしょう?皆さんいろいろな趣味があると思います。医師仲間だとゴルフと答える先生が多いですが、ほかにも美術鑑賞、音楽鑑賞、クルージングなどいかにも、という人もいれば、社交ダンス、ダイビング、空中ブランコ、食べ歩き、あるいはトライアスロンなど肉体派の先生もいます。飲む打つ買うを極める強者の先生もいる(?)ようです。大体は子供の頃から興味を持っていたものを継続している、あるいは大人になってお金に余裕ができてから始めたというものが多いですが、健康維持のために始めたらすっかりはまってしまったという人や、老健施設に勤める知人の医師はお年寄り相手に囲碁をやっているうちに自分がすっかりはまってしまい教室に通い出したようです。また今までは好きなことがあっても仕事や子育てでできなかったのが、中年以降になって生活に少し余裕ができてきたので、昔やっていたことを再開した友人もいます。さしずめ私の場合は旅行、鉄道、沖釣りでしょうか。旅行、鉄道は子供の頃から好きだったし、全国各地を歩き回ったおかげで、地方出身の人とのコミュニケーションを取るのに役に立っていますし、民宿などでのアルバイト経験から接客のいろはを学びました。沖釣りもやりだしたのはここ10年くらいですが、元々父親が毎週末出掛けていて、子供の頃たまーに連れていってもらっていたので、はまる下地はあったのでしょう。それに釣りの場合は、たいがいはなんかしら釣ってくるので夕食のおかずを調達できますし、大漁だと近所に配ったりもできます。
趣味の世界に没頭するのは仕事上であるいろいろなストレスの発散になりますし、新しい出会いや発見もあり、何か趣味がある方が年を取ってからもぼけないですむような気がします。よく仕事が趣味という人もいますが、これも半分は当たっているでしょう。我々は臨床が好きでなければ開業なんて続かないですからね。
夏の混雑期を何とか乗り切ることができました。お陰様で去年に比べると患者数も伸びてきており、その結果待ち時間も少しずつ長くなってきてしまいました。(空いてるときはガラガラなんですがねえ?)
今年も夏はやっぱり虫刺され、とびひに水虫の患者が多かったです。5月頃には伝染性紅斑の流行もありました。昨年は毛虫皮膚炎が少なかったのですが、今年は多かったですし9月になってからやられた人もたくさんいます。とびひも治りにくいな?と思っていたらMRSAだった事も何度かありました。あとは海でクラゲにやられたりキャンプ場でブユに刺されたなど、夏ならではの皮膚疾患がありました。水虫は夏になると刺激性の皮膚炎を起こしてじくじくしてくる人がいます。難治性の爪白癬はTVでもやってる内服薬治療でかなり改善してきます。その一方内服薬による副作用例も何人か経験しています(定期的な診察と検査で発見できましたが)。ミズイボは常に何人かは通っていますが、夏は治療しないとプール遊びができない施設が多く、受診する人はやはり多くなります。これも以前書きましたが、塗り薬である程度数を減らす事ができるので、ぶちぶち摘んで取らなければいけない個数は減らせるようです。あと季節は関係ありませんが、学童の頭ジラミが相変わらずぱらぱらと来ています。
開業すると通院患者の多くはその地域の人たちなので、伝染性紅斑などの流行がすぐにわかるなど、地域医療の最前線というのを実感します。これは病院時代にはあまり感じなかったことでした。あとはやっぱりテレビの影響かな?テレビで皮膚病をテーマに放送があると、それを見て心配になった人が何人かは相談に来ます。
そういえば自分も去年テレビに出たんですがそれを見た、といって来た人は1人か2人しかいなかったのは何故??(10年前中京テレビの報道番組に出たときは横浜でも結構反響あったんですが)
最近メタボリックシンドロームに対する警鐘が鳴らされていますが、町を歩いていても確かに肥満の人が増えましたね。でもカタカナでいうと聞こえは良いですが、単純に言えば中年太りが多くなっていて、しかも若年層から始まっているということだと思います。自分の生活歴を振り返ってみても、確かに20代頃から車で移動する事が増えたし仕事はあまり体を動かすものではないし、しかもおいしいものをたくさん飲み食いする機会が増えてと、太る要素はすべてそろっていました。嗜好も20代の頃は魚より肉、フライで、飲み食べ放題大好きだったし、半チャンラーメンにビール1本とかぺろっと平らげていましたから。気がついたら高校の頃から比べて15kg以上太っていたという次第。10年前に食事制限&有酸素運動でやせたことは以前ここにも書きましたが、それ以来常に体重の維持には努めているつもりなので、今のところメタボリックシンドローム予備軍にはなっていないと思っています。今の肥満者の増加にはやはり食生活の変化も関連していると思いますが、洋食のクリーミーで油たっぷりの食事はカロリーもたっぷりです。最近はコンビニやファーストフード、ファミレスのメニューにもみなカロリー表示が出ていますが、あれをみると食欲が失せてしまうくらいヘビーですよね。たまにはそのような食事もいいですが、連日あの食生活ではまずいでしょう。それに化学調味料もたっぷりそうだし。自分は年齢とともに食の嗜好も変わってきたせいもありますが、すこしずつあっさりしたメニューを頼むように意識していますし、飲む量は別にしても食べる量が以前より少しは減りましたからなんとか現状を維持できているんだと思います。体脂肪計はまだ持っていません(以前店頭のデモ機で測った時は結構良い数値でした)。数字で示されるといやでも頑張るのでそろそろ買おうかな?
半年ぶりに来院した患者さんが開口一番「全然良くならないんです」と言ってきました。(そりゃあ軟膏1本で半年ももつわけないし当然だろう)「で、前の薬使っていたときはどうでしたか?」と聞くと、「塗っていたら良かったんですけど、軟膏が2週間でなくなってしまいそのままにしていたらまた悪くなってしまいました」(初診時には次回1,2週間後にきてねとちゃんとカルテに書いてあります)、というような会話を1日に何回か繰り返します。冷静に考えてみましょう。この場合本当に全然良くならないのでしょうか?患者側からすれば結局元の状態になったのだから良くならないと思うでしょうが、私からみれば治療は初めの2週間だけで後は野放し状態ですから、元に戻るのは当然だと思います。もちろん急性の病気で短期勝負の場合にはそれでOKですが、皮膚科の病気は慢性のものが多いので、薬を使えば良いけれど使わないとまた悪くなる、を繰り返す例が多々あります。「じゃあ先生のところでは治せないんですね?」と開き直る人もいますが、慢性疾患はどこで治療しても同じようなものと思います。高血圧の人が降圧剤を飲んで血圧が落ち着いているのは治ったとは言わないでしょう?基本的にはそれと同じだと思うんですがねえ、なかなかそのように理解してくれる人は少ないのが実情です。知り合いの先生の話ですが、ニキビの人に薬を処方して1週間後に再診したときに、治らないですといわれたことがあるそうです。そりゃ1週間ではね、と思いますが本人は1週間できれいに治ると本気で信じていたそうです。病気の経過や今後の見込みについてもしっかり説明しなくては、と思う次第です。
冒頭の半年ぶりに来た人、最後に「なかなか来院できないので薬たくさんください」ですって。まずは定期的に受診しましょうね!
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